クリスチャン・ディオールとココ・シャネル
フランスのブランドといえば、ルイ・ヴィトンであったり、エルメスが印象として深いでしょう。
ですが、もとをただすと、ルイ・ヴィトンはトランクを制作する会社でしたし、エルメスは馬具メーカーでした。
ラグジュアリーブランドにあとから参入してきたメーカーなのです。
ディオールといえば、シャネルとよく比較されます。
女性の解放を目指して打って出たシャネルに対し、第二次世界大戦中の混乱期から頭角を現してくるのがクリスチャン・ディオールだったからです。
ちょうどこの時は、ココ・シャネルが半引退状態だったことも大きな要因だったでしょう。
ディオールは、ニュールック革命を起こし、シャネルがさらに推し進めていった時代です。
女性的なファッションがオートクチュールの中心となった時代であり、ディオールは世界を席巻していきます。
多角化を推し進めるラグジュアリーブランド
ディオールとシャネルを比較する理由のもうひとつが、ココ・シャネルはクリスチャン・ディオールを敵とみなしていたことでしょう。
ココ・シャネルらしいことではありますが、ビジネスということで見ても、香水やバッグをビジネスにプラスしていくという点で似通っていたのです。
どうしても敵対視しなければ、自分の市場を失ってしまうという危機感を抱くのは、ココ・シャネルでなくても当然であるといえるでしょう。
ラグジュアリーブランドの多角化ということは、いい面も悪い面もあります。
多角化ということは、現在のラグジュアリーブランドでは当たり前のようになってきました。
革製品ブランドが中心だったのにもかかわらず、時計やジュエリー、化粧品に進出することは一般的です。
家具や飲食事業など別ジャンルに打って出るところもあるのですから、かわいいものでしょう。
ブランド力を利用して、採算性の高いビジネスを展開するのは当然のことなのです。
ディオールに関してパルファン クリスチャン・ディオールなど化粧品事業は成功であるといえるでしょう。
ライセンス事業とカネボウとの関係
ライセンス事業という点では、契約先が製造、販売を行ってくれる形ですので、収益を出しやすく、ヨーロッパで大流行しました。
ピエール・カルダンやバーバリー、ラルフローレンなど様々なブランドがおこないました。
その一方で、ブランドイメージの失墜などデメリットもあることがわかってきたのです。
ディオールも積極的にライセンスビジネスを展開してクリスチャン・ディオール時代には200を超えていたといわれています。
カネボウとライセンス契約は有名で日本にディオールを浸透させることに成功しました。
その一方で、品質的な問題やライセンスの無断拡張など大きな問題を抱えることになり、完全な成功とまでは言えなかったのです。
たしかに数少ないライセンス事業の成功者ではありますが、日本ではそこまでの印象ではなくなってしまうことになります。
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